かんらん岩について


 当地(様似町字幌満 日高山脈襟裳国定公園内)で産出する橄欖(かんらん)岩は、地下深部で作られた深成岩が地殻変動のため地表に出たものでオリビンと呼ばれています。かんらん岩の成分等は別記のとおりですが、かんらん岩は日本国内で採取さる岩石や鉱物の中でマグネシウムが一番多く含まれています。
 又、かんらん岩と称される岩石は日本国内に数ヶ所ありますが、大きな岩体は北海道の様似町幌満(アポイ岳付近)、日高町三岩(岩内岳付近)、愛媛県宇摩郡土居町赤石の三ヶ所です。世界的には、近隣国の中国、ヨーロッパではノルウェー、スェーデン、イタリア、フランス、オーストリア等であり、アメリカ合衆国のノースカロライナ、ワシントンの各州とメキシコ等に分布しております。
 かんらん岩は非常に硬質で耐火性に富む岩石で、化学成分はマグネシウム分(MgO)が多く、ほぼ同量のシリカ(SiO2)と化学的に結合してフォルステライト(2MgO・SiO2)と言う極めて安定なケイ酸塩鉱物を構成しており、古くから製鋼関係をはじめ肥料関係等、多方面に亘る工業資材として活用されております。
 当事業所では、かんらん岩を粉砕、篩分したオリビンサンドと製鋼用骨材を主に生産しております。又、比重が普通の石材に比べて二割程度高いため港湾工事用石材や重量コンクリート骨材として特性を発揮しております。

採石場 全景

 

 当地(様似町字幌満 日高山脈襟裳国定公園内日高山脈)に分布するかんらん岩は複数の鉱物の混晶体であり、主に次のような鉱物から成っています。

和名 英語名 成分
かんらん石 oIivine (Mg,Fe) 2 SiO 4
斜方輝石 orthpyroxene (Mg,Fe) SiO 3
単斜輝石 cIinopyroxene (Ca,Mg,Fe) SiO 3
スピネル spineI (Mg,Fe) O (Cr,AI) 2O 3

   

工場 全景

 

かんらん岩は一般の岩石に比べて苦土分(MgO)に富み、耐火性に優れ硬質である等の特徴があるため、その特徴を生かして色々な分野で利用されています。

化学成分 M g O 0~47 %
  S i O 2 40~44 %
  F e 2 O 3 7~ 9 %
  A I 2O 3 1~ 2 %
  C a O 0~ 1 %
  I g . I o s s 0~ 2 %
物理的性質 モース硬度 8(新モース)
  真比重 3.1~3.4
  溶融温度 1,750℃