オリビン(橄欖岩)の用途


1.高炉メーカー向け製鉄副原料

高炉メーカーとは鉄鉱石から鉄鋼製品を作るメーカーのことです。鉄鉱石には鉄以外にいろいろな不純物が含まれています。この不純物を取り除く工程に於いて、オリビンは重要な役目をしています。

 


■高炉用造滓材

高炉は鉄鉱石を還元し銑鉄を製造する溶鉱炉です。この高炉にオリビンを添加することにより、発生する不純物スラグ(鉱滓)の塩基度を調整し流動性を高めるために使用されています。


■転炉用造滓材

高炉で作られた銑鉄はさらに転炉で精製され鋼となります。オリビンをこの転炉に添加することにより、高炉と同様にスラグの塩基度を調整し流動性を高める目的以外にも、転炉の内張レンガ溶損を防止する保護材としても利用されています。



2.
電気炉メーカー向け製鉄副原料

電気炉メーカーとは鉄スクラップを電気炉で熔解し鉄鋼製品を作るメーカーのことです。

オリビンはEBT式(炉底出鋼型)電気炉の出鋼口に使用され。迅速な出鋼作業と不純物の少ない鋼をつくる役目をしています。


3.肥料用原料

オリビンに含まれているマグネシウム(苦土)は植物の葉緑素生成を活発にし、光合成を高め、植物の生育を促す成分とされています。そのためオリビンは苦土肥料用原料として多くの肥料メーカーに採用されています。また比重の大きさを利用した水稲肥料用の浮上防止材などにも使用されています。


   

 

4.鋳物砂

オリビンは一般的に鋳物砂に使用されている珪砂に比べ比熱が大きく熱吸収力が大きいため注湯後の鋳物を素早く冷却します。このため鋳物表面の組織が緻密になり、きれいな鋳肌が得られます。また珪砂のような急激な体積の膨張収縮を伴う変態点がないため、寸法制度の高い鋳物が得られます。



5.コンクリート用骨材

オリビンは一般の砕石に比べ20%以上比重が大きいため、これをコンクリート用骨材に使用することにより高比重コンクリート製品が得られます。

防波堤や消波ブロックなどの港湾構造物などに使用され、波の力や浸食を弱めることにより、港の安全を効果的に守っています。





 

6.その他

オリビンのきれいな色調や、高い耐熱性などを利用した様々な分野で使用されています。